―――人を好きでいられる。そんな人が羨ましい。
BELIEVE
「ザラ隊長~。こんな所にいらしたのですか。探しましたよ」
「お姉ちゃん、ずる~い!あっ、隊長待って下さい!」
アスランの気を惹こうと必死なルナマリアとメイリン。その行動を見ていると可愛らしいと思う。
「ラクス・クラインは今の方がイケていますよね?」
「僕もそう思うよ。ラクス・クラインは可愛いし。でもあの衣装が際どいと思うけど…」
「でも、あの際どいのが良いんじゃないですか?」
ラクス・クラインについて熱く語っているアーサー達。どちらかと言うと呆れていると言うのが本音である。
他にもプラントに居る恋人の話をしているクルーも居る。今まで対して気にはしてこなかったのだが、最近、とても気になってしまう。
「タリア?」
脇に居る議長がこっちを覗き込む。…今はホテルの議長の部屋に来ているんだったわ…
「今の話、聞いていたかね?」
「ごめんなさい。ちょっと考えていて。何でしたっけ?」
「いや、大した事ではないから構わない」
そういう議長。
「議長…」
脇に居る議長に寄りかかる。
議長はそんな私の肩を抱いて耳元で低く囁く。
「タリア。君は私を愛してくれているのかい?」
「えぇ…」
そう答えるものの曖昧な答えになってしまう。
―――どうしてもこの人を疑ってしまう―――
これが私の現状なのだ。この人の事は好き。愛してる。だけど、彼のなす事に時々…いやしょっちゅう疑いの目をかけてしまうのだ。そんな時の議長の目は大概冷たい目をしている。
「私…貴方の事を愛していてもいいのかしら?」
「…もちろんだとも」
そう言った議長の目は…温かいものだった。この温かい目の彼を信じられない私は何なのだろうか?そしてそんな彼を信じていても良いのだろうか…?
人を好きでいられる。そんな人になりたい…
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