一緒に年越し蕎麦を食べて、一緒にテレビを見て、一緒にカウントダウンして―

今年もね。

「明けましておめでとうございます」
 毎年年末はどちらかが仕事が入っていたから、一緒に暮らしていても、一緒に正月は迎えられなかった。だから今年一緒に新年を迎えられるなんて思っても見なかった。
「マリュー?」
 ぬくぬくと暖かいコタツに入ってそんな事を考えていると、ムウが話しかけてきた。
「なぁに?」
 私が聞くと
「お年玉頂戴?」
 なんて言って笑顔を見せた。
「…しょうがない人ね」
 私はそう思いながら移動してムウの頬にチュッと音を立ててキスした。

「…これだけ?」
 少し不満げにそう言うムウ。新年早々何を考えているのだろうか?

「ねぇ、私にもお年玉頂戴?」
 相手のペースに乗せられっぱなしの様な気がしたので、私はこう切り返してみた。
「…了解☆」
 にかっと笑ったムウは私を抱き抱え寝室へと向かった。

 今年もこんな調子で過ぎていくのかしら?
 私はムウと一緒に居られたらそれで良いんだけどね。

 「今年もね。ムウと一緒に過ごせますように…」



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