Blue
ちょっと位なら…と思ってデッキに出てみた。外は太陽が照り付けていて、思わず目を細める。
空を見上げると、雲一つない晴天だった。あまりにも綺麗だったから、私は思わず呟いた。
「綺麗な空…。見ていてすっきりするわ」
気付いたらフラガ大尉が隣に居て、
「そうだな」
と呟いた。
「フラガ大尉。貴方もいらしていたんですか?」
「俺はもう少佐だぜ、ラミアス艦長。君が順番にデッキに出る事を許可したから俺も出てきたって訳よ」
そしてフラガ少佐はその場に腰掛け、私にも隣に座る様、促した。私は隣に座り、また空を見上げた。空は相変わらず青かった。
「俺は青が好きなんだ。特に海の青よりも空の青の方が好きだな」
「私も青は好き。でも空の青も海の青も好きですわ。だって…」
私はそこまで言って、止めた。言う事がちょっと悔しく、ちょっと悲しかったから。
「俺、そろそろ戻んねと。いつか続きを聞かせてくれよ、艦長」
そう言ってフラガ少佐は去って行った。私はその場に誰も居ない事を確認してから言った。
「だって…あの人の瞳は海の青で、貴方の瞳は空の青だから」
私は立ち上がって艦橋へ戻って行った。
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